
Akari Karugane × éphēlis Collaborative Exhibition - Land and Sea -
2023年、岐阜県多治見市で作陶している故金あかり氏のアトリエに、香港出身のセラミックアーティスト・Queenie Chanが訪れたことをきっかけに、お二人の交流がはじまりました。
大地の豊かさを感じさせるやわらかな色彩と、おおらかで包み込むような存在感をもつ故金あかり氏のうつわ。
そして、牡蠣をはじめとする海のかたちにインスピレーションを得ながら、造形の美しさを追求するQueenieのブランド「éphēlis」。
- Land and Sea -
移りゆく季節、夏の入り口に、二人の作品が響きあうように並びます。
本展示では、特別に制作した共作オブジェもご覧いただけます。
Akari Karugane × éphēlis Collaborative Exhibition - Land and Sea -
5月10日(土)〜 13日(火)12:00〜18:00
※初日10日(土)15:00までは、ご予約いただいた方のみご入場いただけます。
※ご予約なしでのご入場は15時からを予定しており、14時45分時点以前のお並びはご遠慮させていただいております。
※購入点数に制限がございます。
Talk with
故金あかり Akari Karugane
moor gallery ) 本展示では限定で作品の成形をéphēlis、釉薬がけをを故金さんに行っていただきました。二人で一つの作品をつくるというのはいかがでしたか?
Akari Karugane ) 香港から彼女の作品が届き、一つひとつ手に取りながら、改めて彼女の造形の線へのこだわりを強く感じました。
作品の中には彼女の意図が込められていると感じていたので、あとから私が自由に色を加えることに少し不安もありましたが、試行錯誤を重ね、なんとか形にすることができたと思います。
今回の共作をつくったことで、作品の中にはその人の考えや個性が詰まっていることを改めて実感しました。造形の選択、色の選択、そのすべての選択の中に、その人が表れているのだと感じました。Queenieが形作った作品と時間を共にする中で、自分自身の作品とも向き合うことができ、とても良い経験となりました。
moor gallery ) 今回食事会の器も特別に制作いただきました。器を作る際のこだわりを教えてください。
Akari Karugane ) 今回は「Land and Sea」 というテーマをもとに制作しました。自然を感じられる造形にしたかったので、柔らかさや、自然物にある張った形などを思い描きながら、機能的にも器として成立させたいと思いました。
作品によって、釉薬を内側に掛けることで食品の匂いや色が移らず、安心して使えるように考えたり、カトラリーとの相性も意識しています。
コース料理ではナイフやフォーク、スプーンを使うことが多いため、表面のテクスチャーが食事を楽しむ時、機能面で邪魔をしないか考えています。土や釉薬の種類を適したものに変えることもあります。
自分の造形と機能面での変更すべきところを擦り合わせながら制作しますが、その微妙なバランスがその人の個性になり、造形に返ってくると思います。必要だと感じれば、機能面に寄り添う時もあります。
故金あかり(岐阜)Profile
土という素材が持つ温かさやおおらかさ、内にある力強さ、そして繊細な土肌に魅了され、土の良さを引き出した作品を制作している。現在、岐阜県多治見市を拠点に作家活動を行い、国内外で作品を発表している。
Talk with
éphēlis by Queenie Chan
moor gallery ) 今回の展示では、Oysterの連なりが印象的です。どのように作品が生まれたのか教えていただけないでしょうか。
Queenie) 私の身近な人たちは、祖父と牡蠣、そして私の間にあるつながりをよく知っていると思います。牡蠣を見ると、祖父との思い出や、夏に訪れた香港の牡蠣湾の光景が自然と浮かんできます。最近では、密集して育つ牡蠣に、これまでとは違った象徴的な意味を感じるようになりました。
昨年の夏、スタジオのパートナーであるヘイサンが台湾を旅したとき、浜辺で群れになった牡蠣を見つけました。その牡蠣をお土産に持ち帰ってくれて、私はその特別なかたちに心を打たれました。よく見る牡蠣は黒っぽい線や汚れが目立つことが多いのですが、その牡蠣は真っ白で、どこか澄んだ清らかさを感じさせてくれました。
その牡蠣は、3つの貝が寄り添うようにひとつになっていて、まるで私たちスタジオの仲間のアイザック、ヘイサン、そして私を映しているようでした。私たちはそれぞれが自分の道を歩み始めた頃に出会い、そこから自然に絆が生まれました。この8年のあいだに、たくさんの時間を共に過ごし、互いに成長してきたと思います。このつながりに励まされながら、私たちの友情をかたちにした小さなコレクションを、この群れ牡蠣から着想を得てつくることにしました。
今回の展示のテーマが「夏の海」だと最初に聞いたとき(今は「陸と海」に変わったそうですが)、すぐに思い浮かんだのは、寄り添うようにくっついた牡蠣をモチーフにした作品をつくりたい、というアイデアでした。
Most people around me are likely familiar with the connection between my grandpa, oysters, and me. Oysters have always reminded me of my grandpa and the summers we spent visiting the oyster bay in Hong Kong. Recently, however, I’ve found a new symbolic meaning in clustered oysters.
Last summer, my studio partner, Heisan, visited Taiwan and discovered a clustered oyster on the beach. He brought it back to me as a souvenir, and I was deeply touched by its uniqueness. Unlike typical oysters, which are often dirty and marked with black stripes, this one was pure white, evoking a sense of purity.
The clustered oyster consists of three pieces stuck together, symbolizing the three of us who share our studio: Isaac, Heisan, and me. We formed our bond when we were all starting our own businesses. After eight years, we’ve grown immensely and experienced so much together. This connection inspires me, prompting me to create a small collection celebrating our friendship through these clustered oysters.
So, when I first heard your theme for the exhibition, "Summer Sea" (now changed to "Land and Sea"), I couldn’t help but think of creating pieces that reflect oysters sticking together!
éphēlis エフェリス(香港) By Kwan Wai Queenie Chan クウィーニー チャン
2014年にロンドンのセントラル・セント・マーチンズでファッション・ニットウェアの学士号を取得。卒業後間もなく、パリのクチュールハウス、クリスチャン・ディオールでファッションデザイナーとして勤務した後、現在は故郷である香港でセラミックアーティストとして活動中。